【実録】アチーブメントの評判を受講経験者にヒアリング!組織開発のプロが第三者視点で徹底解説します。
アチーブメント株式会社とは?
まずは、アチーブメントという会社が提供しているサービスの根幹を理解しましょう。単なる精神論の会社ではありません。
アチーブメント株式会社の会社概要と特徴

アチーブメント株式会社は、1987年10月に設立された人材教育コンサルティング会社です。
代表取締役社長の青木 仁志氏が率い、東京・有明に本社を構えています。
同社の主力事業は、戦略的目標達成プログラム「頂点への道」講座であり、「選択理論心理学」を基盤とした目標達成技術の指導を特徴としています。

最大の特徴は、3年間で6回の再受講を前提としたカリキュラム設計です。一度学んで終わりにするのではなく、反復学習を通じて知識を「知っている」状態から「できる(体得している)」状態へと昇華させることを重視しています。
創業以来、経営者やプロアスリート、営業職など累計6万人以上の受講生を輩出し、人材育成の分野で確固たる地位を築いています。
「選択理論心理学」の特徴
アチーブメントを理解する上で外せないのが、「選択理論心理学」です。
選択理論心理学とは、「全ての行動は自らの選択である」と考える心理学であり、さまざまな人間環境が絡む環境の中で、より良い人間関係を築いていくための手法として考えられています。

従来の組織管理でありがちな、怒りや罰、あるいは報酬といった外部からの刺激で相手をコントロールしようとする「外的コントロール」とは対極に位置し、選択理論心理学は「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ」という前提に立って言動を意識するきっかけになる、合理的な考え方です。
この思考法が代表をはじめ、組織に浸透すると、「部下が動かない」「環境が悪い」といった他責思考から脱却し、「この状況で自分には何ができるか?」と自らの行動にフォーカスするようになります。
上司が「支援」のスタンスで関わることで心理的安全性が高まり、メンバーは「やらされ仕事」ではなく、自らの目標達成のために動く「内発的動機」に基づいた高いパフォーマンスを発揮するようになるのです。
この「内発的動機」に火をつけるアプローチこそが、多くの経営者を惹きつける理由であり、同時に違和感を抱かれ「宗教的」と言われる理由でもあります。

なぜアチーブメントは「怪しい」「宗教」と言われるのか?

多くの受講検討者が気にしているのは「怪しさ」「宗教的」といった評判に対しての真意ではないでしょうか。
以下では、組織開発のプロの目線から客観的にアチーブメントの評判について解説していきます。
1. 「共通言語」と「クローズドコミュニティ(JPSA)」の結束力
アチーブメントには、一般財団法人日本プロスピーカー協会(JPSA)という顧客コミュニティが存在します。ここでは、受講生同士がアチーブメントでも取り入れられている「選択理論心理学」という共通言語を用いてプロスピーカーの育成、地域業界での講演、各支部での勉強会等を行なっています。
組織開発の観点から見ると、これは「カルチャーの浸透」が極めて高いレベルで成功している事例と言えます。
しかし、その反面として「排他性」が生まれます。
内部では選択理論心理学の考えに則って、「批判しない」「貢献する」といった崇高な価値観が共有され、心理的安全性が保たれています。その独特な用語やハイテンションな雰囲気が、文脈を共有していない外部の人間から見ると、「宗教団体」 「怪しい」という異質なものとして映ってしまう構造があるのです。
2. フロントからバックエンドへの「アップセル構造」
ビジネスモデルの観点からも、緻密に計算されたアップセル構造が構築されています。
この「階段」を登る過程で金銭的なコミットメントが大きくなることが、一部で警戒心を抱かれる要因となっています。
ビジネスモデルとしても、以下のような階段が組まれています。
フロントエンド:
書籍や無料講演会、数千円程度の体験セミナーなど。ここで理念に共感した層をスクリーニングします。ミドルエンド:
ここからが本格的な投資と言える部分だと思います。主力である「頂点への道」スタンダードコースは、1回(3日間)で約30万円という高価格帯の設定です。一般的なビジネス研修と比較しても高額ですが、これは「覚悟」を問うフィルターとしても機能しています。バックエンド:
スタンダードコース修了後には、さらに上位のダイナミックコースや、プロスピーカーを目指すコースが用意されています。これらを全て受講するなら数十万〜百万円単位の投資となりますが、アチーブメントでは「一度きりの受講では定着しない」として継続学習を推奨しているため、熱心な受講生ほどLTV(顧客生涯価値)が高まる構造になっています。
「セミナーに行くと、次の高額な講座を勧められるのではないか?」という警戒心は、このビジネス構造自体が透けて見えることに起因するのではないかと推察します。
アチーブメントに関する良い評判・口コミ
では、アチーブメントを導入するメリットについて解説します。
1. 「基準値(スタンダード)」が引き上げられ、組織の視座が揃う
多くの成功事例で語られるのが、「基準値の書き換え」です。
「なんとなく頑張る」という現状維持バイアスのかかった組織に、「目標は達成して当たり前」という強烈な基準値が持ち込まれます。これは精神論だけでなく、経営陣や幹部が共に受講することで「共通言語」が生まれ、組織としての視座が一気に引き上げられるためです。
バラバラだった経営陣が「阿吽の呼吸」で動けるようになり、結果として組織全体が「戦う集団」へと変貌を遂げることができた。
2. 経営者の「あり方」が変わり、離職率が改善した
「なんでお前らはできないんだ!」と怒鳴り散らしていたトップダウン型の経営者が、選択理論を学び「他人は変えられない」と気づく。その結果、部下の話を傾聴するようになり、心理的安全性が生まれ、離職率が劇的に下がったというケースです。これはアチーブメントが最も得意とする「経営者の人格変容」による効果です。
3. 同じ志を持つ「質の高い経営者仲間」と出会える
受講生には、成長意欲の高い経営者が集まります。「基準値の高い仲間(パワーパートナー)」と共に学ぶことで、視座が引き上げられ、互いに切磋琢磨できる一生の関わりを得られることも、大きな付加価値として評価されています。
【実録】アチーブメントの研修を4回受講した経営者に聞いて分かったこと
ここからは、ネット上の噂ではなく、実際にアチーブメントの研修(テクノロジーコース、セールスコース等)を2017年から計4回受講した経営者へのインタビュー内容を公開します。良い面も悪い面も、全て本音で語っていただきました。
アチーブメントを受講して実際に変わったこと
──受講して、具体的にマネジメントはどう変わりましたか?
「以前は定量(数字)ばかりを見て詰めていましたが、『人の顔色(定性)』を見るようになりました。スタッフの表情の陰りや、少しの違和感に気づけるようになり、『あ、この人辞めるかもな』という予兆を察知できるようになったのは大きな変化です」
「また、導入当時は組織崩壊の危機や、事業モデルの転換期でした。足元の業務に忙殺され『自分は何をしたいのか』を見失っていましたが、研修で原点回帰し、『人材を育てて排出するモデルではなく、長く活躍してもらう会社にする』というビジョンを固めることができました」
実際にアチーブメントの研修でおこなったこと
──研修はどんな雰囲気でしたか?
「まさに『缶詰』です。3日間、汐留などのホテルに200〜300人が集まり、朝から晩まで集中講義です。独特なのはその空間演出ですね。結婚式のようなきちんとした座席で、ジャケット着用必須。音楽や照明の演出もあり、ある種の宗教的とも言える強い没入感と緊張感がありました」
「事前準備もきちんと用意されており、何度経験しても受講するたびに良い緊張感を持てています。具体的には『えんじ色のボックス』に入った教材が届き、課題図書や青木社長の書籍を読み込む必要があります。研修自体は『営業のやり方』というより、『なぜやるのか(Why)』や『相手がされて嬉しいこと』といった本質的で抽象度の高い問いに向き合い続ける時間でした」
総じてアチーブメントを導入して良かった点・悪かった点
──忖度なしで、良かった点と悪かった点を教えてください。
良かった点
「経営層の視座が合ったことです。役員陣と一緒に受講したことで、共通言語が生まれ、阿吽の呼吸で動けるようになりました。また、『朱に交われば赤くなる』の通り、同席する受講生(上場企業社長など)の基準値が高く、そこに身を置くだけで自分の基準も引き上げられました」
悪かった点
「『魔法』が冷めることですね。受講直後は熱量が高いのですが、現場に戻って1〜2ヶ月もすると、どうしても日常に埋没して熱が冷めてしまう。継続的にあのテンションを維持するのは難しいと感じました。継続したフォローアップがあれば、より満足度が高くなります。」
アチーブメントの「怪しい」や「やばい」という評判に対してはどう思うか?
──ぶっちゃけ、怪しいと思いましたか?
「思いますよ(笑)。でも、0→1のフェーズや、組織を変えるために強大なパワーが必要な時には、あのくらいの『狂気』や『没入感』がないと突破できないのも事実です。ロジカルに正解を求める人や、ある程度出来上がった組織には『怪しい』と映るでしょうが、理屈抜きで現状を打破したい経営者にとっては、必要な通過儀礼のようなものだと感じています」
アチーブメントを導入すべき企業・そうでない企業の特徴
以上の分析から、アチーブメントをおすすめできる企業とそうでない企業を定義します。
導入検討の際に、参考にしてください。
アチーブメントの導入をおすすめする企業の特徴
創業期・再生期・変革期:
圧倒的なトップダウンで、一気に組織の方向性を変える必要があるフェーズ。トップの求心力が低下している組織:
経営者自身の「あり方」を見直し、再度メンバーを惹きつけたい場合。営業会社・実力主義の組織:
個人の目標達成意欲(モチベーション)が直接業績に跳ね返る業態。
アチーブメントの導入をおすすめしない・失敗する企業の特徴
組織拡大期(30〜100名の壁):
多様な価値観を持つ人材が増え、属人性を排した「仕組み」が必要なフェーズ。エンジニア・専門職中心の組織:
論理や合理性を重視し、精神論や感情的なアプローチを嫌う文化。経営者だけが先走っている組織:
現場の課題感を無視して導入すると、組織崩壊の引き金になる可能性があります。
【組織のプロが比較】アチーブメント vs マネディク
組織開発には、会社のフェーズや文化によって適した研修を導入するのが効果的です。
比較項目 | アチーブメント | マネディク |
|---|---|---|
重視するもの | 感情・熱量(内発的動機) | 仕組み・行動(再現性) |
アプローチ | 個人の「願望」に火をつける | 個人の感情に頼らず勝手に動く仕組みを作る |
向いている組織 | 創業期、営業会社、カリスマ経営 | 成長期のベンチャー、自走組織を作りたい |
キーワード | 選択理論、頂点への道 | マネジメントの型、SaaS活用、自走支援 |
アチーブメントが「個のパワー」を最大化するのに対し、我々マネディクは、「個人のやる気に依存せず、誰がやっても成果が出る『仕組み(型)』をインストールする」アプローチをとります。