小山昇氏が率いる武蔵野コンサルタントの評判とは?組織開発のプロが徹底的に解説!
圧倒的な実績とカリスマ性を持つ小山昇氏率いる株式会社武蔵野。
一方で、ネット上には「宗教的」「洗脳」といった刺激的な評判も並びます。
この記事では、数多くのベンチャー・成長企業の組織課題と向き合ってきた組織開発のプロとしての視点から、導入によって得られる成果、そして直視すべき「組織への負荷(リスク)」について、公平かつ客観的に解説します。
30秒でわかる武蔵野コンサルの評判・実態
詳細を読み進める時間がない方のために、武蔵野コンサルの評判と実態を最初に結論としてまとめました。
| 特徴 | 内容 |
| 一言で言うと | |
| 良い評判 | ・挨拶や整理整頓が苦手だった組織が整い、事業に向かう社員の姿勢も変化してきた ・社長と社員の共通言語ができ、意思決定のスピードが上がった ・やるべきことが明確で迷いがなくなった |
| 悪い評判 | ・トップダウン気質が強まり、社員が萎縮するようになった ・新たなカルチャーに合わない社員や若手が離職してしまった ・浸透までに時間がかかり、いまいち変化があったのか分からなかった。 |
向いている企業、向いていない企業についても以下に、まとめています。
| 向き/不向き | 内容 |
| 向いている企業 | ・「再生期・停滞期」の企業 ・トップダウンで強引にでも組織を立て直したい ・社員の基礎レベル(挨拶・遅刻など)を底上げしたい |
| 向いていない企業 | ・「成長期・変革期」の企業 ・現場が自ら考える「自律型組織」を作りたい ・多様性や個人のクリエイティビティを重視したい |
武蔵野のコンサルティングは、ハマればV字回復を実現する強力な武器ですが、体質に合わなければ組織崩壊を招くリスクも孕んでいます。
武蔵野コンサルのような強力な指導で組織の土台を作ることは重要です。
一方で、会社を長く存続させるためには、「言われたことを守る」だけでなく「自ら考え、動く」社員の育成も不可欠です。
弊社マネディクは、ベンチャー企業だけでなく、創業数十年を越える老舗企業や多くの中小企業様にもご導入いただいています。中には「武蔵野流で規律を整えつつ、マネディクで会社を担うマネージャー(管理職)の思考力を鍛える」という併用活用をいただいている企業様もいらっしゃいます。
少しでも気になる方、組織の向かうべき方向について相談したい方は、ぜひ以下からお問い合わせください。
武蔵野コンサルとは?
結論から言えば、武蔵野のコンサルティングは単なる「掃除の指導」や「セミナー」ではありません。その本質は、「社長が決定したことを、全社員が即座に実行する組織」へと作り変えるための、徹底したプログラムです。
業務改善というよりは、「組織の文化・行動様式そのものを書き換える」と言った方が実態に近いでしょう。
株式会社武蔵野の会社概要と実績

株式会社武蔵野の最大の特徴は、コンサルティング会社でありながら、「環境衛生事業(ダスキン加盟店)」という実業を持っている点です。
1956年の創業以来、地域密着の環境衛生事業を展開し、そこで培った独自の経営ノウハウ(徹底した数字と行動の管理)を商品化して提供しているため、机上の空論ではない説得力があります。
また、「18年連続増収」という驚異的な記録を持ち、2000年度・2010年度には日本経営品質賞を2度受賞した企業です。
現在では、そのノウハウを多岐にわたる事業で展開しています。
- 経営コンサルティング事業
経営サポート事業(会員制サポート、セミナー等)
M&Aビジネスマッチング事業
社長のサポート事業
- 経営者アカデミー®事業
コンサルティング事業
マーケティング事業
採用コンサルティング事業(新卒採用ノウハウの提供)
環境衛生事業(ダスキン事業、クリーン・リフレ等)
武蔵野コンサルの独自メソッド
武蔵野コンサルティングの根幹をなすのが、以下の2つの独自メソッドです。
これらは単なるツールや作業ではなく、組織の規律と実行力を高めるための強力なメソッドとなっています。
武蔵野の「手帳型経営計画書」

武蔵野の経営コンサルを語る上で外せないのが、「手帳型経営計画書」です。
株式会社武蔵野の「手帳型経営計画書」とは、"社長の想い"や企業理念や社章、経営目標、行動指針などが事細かに記されているB6サイズの経営計画書のことです。
社員はこれを常に携帯し、読み込むことが推奨されています。
これは単なる計画書ではなく、従業員へ"社長の想い"を浸透させ、組織力向上と業績アップを目指すもので、武蔵野の経営ノウハウを凝縮し、具体的なフォーマットや作成支援を通じて、提供されています。
武蔵野の「環境整備」メソッド
もう一つの核となるメソッドが、代名詞とも言える「環境整備(掃除)」です。
なぜ、床を磨くことが売上アップに繋がるのでしょうか。
一見、精神論のように思えますが、実はコンサルティングの根幹をなす、極めて論理的な「組織改革メソッド」なのです。
具体的には、以下の3つのメカニズムによって業績向上に直結します。
「決めたことを守る」組織文化の構築
多くの企業では、素晴らしい戦略を立てても「実行されない」ことが課題になります。
「環境整備」では、「毎日やる」「道具を定位置に戻す」といったシンプルなルールを徹底して守らせる日々の積み重ねを行うことで、社員に「決めたことは必ずやる」という習慣(規律)が身につき、結果として経営計画や営業戦略の実行力が飛躍的に高まります。「気づく力」の養成
床の汚れや窓の曇りに気づかない社員は、お客様の些細な変化やニーズにも気づけない、というのが武蔵野の考え方です。環境整備を通じて「微差」に気づく感性を養うことで、サービスの質や営業力の向上につなげます。心理的安全性の確保と業務効率化
物理的に整理整頓された環境は、探し物の時間を減らし(業務効率化)、働きやすい職場を作ります。また、社長自らが環境整備点検で現場を回ることで、社員とのコミュニケーション機会が生まれ、風通しの良い組織風土を作ります。
さらに近年では、この環境整備(アナログな整理整頓)が、DX(デジタルトランスフォーメーション)の基盤としても機能しています。物理的なモノや情報の整理ができて初めて、デジタルツール活用や業務効率化が進むというロジックです。
つまり、掃除が目的ではなく、あくまで「組織の規律」と「DXの土台(整った環境)」を作るための手段なのです。
武蔵野コンサルの主要サービスと費用について
導入を検討する際、まず理解すべきなのが「経営サポートパートナー」と「経営者アカデミー」という2つの主要サービスです。
代表の小山昇氏の関与度合いや目的によって使い分ける形になっています。
※以下は調査時点の目安であり、変更の可能性があります。正確な価格は公式サイトでご確認ください。
1. 経営サポートパートナー会員
このサービス最大の特徴は、小山昇氏本人による直接指導が含まれている点です。
小山氏が講師を務める研修会への参加が可能です。また、経営の悩みに対して、小山氏から直接、具体的かつ的確なアドバイスを受けることができます。
こちらは士業・コンサルタント・専門職の方などが対象で、経営者支援を目的としたネットワーキングや情報交換、協業の機会に重点を置いています。
- 費用
- 入会金:110,000円(税込)
- 月額:27,500円(税込)
2. 経営者アカデミー
一方の経営者アカデミーでは、従業員も巻き込み、経営計画書を道具として方針を浸透させ、強い企業基盤を構築するための、組織力強化の仕組みを学べます。
こちらは中小企業の経営者を対象とした本会員で、定例セミナーや個別相談、会員限定コンテンツなど、すべてのプログラムに参加できます。
- 費用
- 初年度:39,600円(税込)
- 次年度以降:月額3,300円(税込)
なぜ武蔵野のコンサルは「宗教」「時代錯誤」と呼ばれるのか?
まず結論から申し上げますと、株式会社武蔵野のコンサルティングが提供しているメソッド自体は、決して悪いものではありません。組織マネジメントの観点から見ると、組織の規律を高め、盤石な利益体質を作るための極めて合理的な手法です。
しかし、その導入プロセスにおいて強い「強制力」を伴うため、企業によって相性がはっきりと分かれます。
武蔵野のコンサルには「宗教的」「時代錯誤(時代齟齬)」という評判がつきまとっていますが、それは武蔵野の手法が「個人の自我」よりも「組織の規律」を極端に優先させるアプローチだからです。
そのため、多様性や個人の尊重が重視される現代において、この「滅私奉公」的とも言えるスタイルは、非常に異質に映る可能性はあることは導入前に承知しておくべきです。
「お金は愛」という独自の哲学
武蔵野の教えの中に「お金は愛」という言葉があります。
一見すると拝金主義や宗教的なスローガンのように聞こえますが、その真意は「利益を出して内部留保を高めることこそが、社員の生活と雇用を守る最大の愛である」という極めて現実的な財務戦略に基づいています。
しかし、こうした強い言葉を用いた思想教育が、外部や一部の社員には「教祖と信者」のような関係性に見え、宗教的という評判に繋がっています。
「トップダウン」の徹底とイエスマン育成の是非
武蔵野流の真髄は、徹底的な「トップダウン」にあります。
「社長が右と言えば、全員で右を向く」。このスピード感こそが中小企業の最大の武器であるという考え方です。
そのための象徴的なツールが前述の「手帳型経営計画書」です。
「迷ったら手帳を見ろ」というほど徹底されたこのツールは、トップダウンの意思決定を末端まで浸透させるための、まさに「絶対的な行動指針」です。
指導の中では「上司の言うことは絶対」「口答えをしない(まずはやる)」というスタンスが徹底されます。これを「イエスマンの育成」と批判するのは簡単ですが、経営の修羅場においては、議論よりも実行が優先される局面があるのも事実です。
しかし、フラットな組織文化や、納得感を重視する現代の若手社員にとっては、この「問答無用の服従」は強烈なストレスとなり、「時代錯誤なパワハラ」と受け取られかねません。
意思決定スピードを最大化するメリットと、思考停止を生むリスクは表裏一体なのです。
外部から異様に見える「儀式(大声・唱和)」の意図
研修や合宿で行われる「大声での挨拶」や「理念の唱和」。
外部の人間が見れば大変異様な光景ですが、組織開発の視点では「アンフリーズ」のプロセスとして説明がつきます。
長年染み付いた「恥ずかしい」「斜に構える」といった個人の殻を、非日常的な負荷(大声など)をかけることで強制的に壊し、新しい価値観を注入しやすい状態にする手法です。
軍隊やスポーツの強豪校でも見られる手法ですが、これをビジネスの場、特にクリエイティブさや自律性が求められる現代の組織に持ち込むことには、強い「組織的な摩擦」が伴います。
武蔵野コンサル導入のメリット【再生期・停滞期には即効性あり】
では、武蔵野のコンサルティングを導入するメリットについて解説します。
1. 「当たり前」ができない組織に規律が生まれる
「遅刻が当たり前」「デスクが汚い」「挨拶もしない」。
上記のような、いわゆる「動物園状態」の組織にとっては、武蔵野流の強力な矯正力は効果覿面(てきめん)です。
論理的な説得では動かない社員に対し、「環境整備点検」という強制力のある仕組みを入れることで、組織の基準を一気に引き上げることができます。
「まずは形から入る」ことで、崩壊寸前の組織に秩序を取り戻す。
この点において、武蔵野の手法は非常に強力なソリューションと言えます。
2. 経営者の孤独が解消され、意思決定スピードが上がる
導入企業の経営者が口を揃えて言うのが、「社長と現場の共通言語ができた」ということです。
経営計画書というツールを通じて、社長の考えや価値観を言語化し、それを社員に持たせる。
これにより、社長の意図が歪まずに現場に伝わるようになります。
「なんで分かってくれないんだ」という経営者の孤独なストレスが解消され、組織全体が同じ方向を向いて走る体制が整うことで、意思決定から実行までのスピードが劇的に向上します。
3. アナログ徹底の先にある「DXの加速」
意外に思われるかもしれませんが、武蔵野はDX(例:Kintone活用など)においても先進的な事例を持っています。これは「TTP(徹底的にパクる)」文化と「トップダウン」が機能しているためです。
社長が「Kintoneをやる」と決めれば、全社員が(文句を言わずに)即座に使い方を覚え、現場に実装される。アナログな環境整備で培った「決めたことを守る」土壌があるからこそ、デジタルツールの導入もスピーディに進むというメリットがあります。
武蔵野コンサル導入のリスクとデメリット【成長企業の視点】
しかし、全ての企業にこの手法が適しているわけではありません。
特に、ある程度事業が軌道に乗り、さらなる成長を目指す「成長企業(ベンチャー)」や既に社員の自走力がある一般企業にとっては、看過できないデメリットも存在します。
1. 「自分で考える人材」が育ちにくくなるリスク
最大のリスクは、社員の「思考力」を抑えつけてしまう可能性があることです。
「言われたことを即やる」訓練は実行力を高めますが、行き過ぎれば「言われないとやらない」「上司の顔色ばかり伺う」社員を量産することになります。
市場の変化が激しい現代において、現場が自ら考え、判断し、動く「自律型組織」を目指すのであれば、強すぎるトップダウンは逆効果になりかねません。
マニュアル人間ばかりの組織は、想定外の事態に弱いのです。
2. カルチャーフィットしない優秀層の離職
また、このような強制力が強いものを導入する際には「人材の流出」は避けられないリスクです。
特に、合理的でスキルが高く、自律的に動ける優秀な人材ほど、精神論的な指導や理不尽なルールに耐えられません。
「掃除のために残業するなんて無駄だ」
「もっと本質的な仕事がしたい」
そう考える優秀層が離脱し、結果として会社に残るのは「言われたことに従順な人材」だけになる可能性があります。
これを「新陳代謝」と呼ぶか「損失」と呼ぶかは、経営者の価値観次第です。
武蔵野コンサルを導入すべき企業・そうでない企業
以上の分析から、武蔵野コンサルを導入すべき企業と、そうでない企業の境界線は明確です。
導入すべき:崩壊寸前の「動物園」状態の組織
- 挨拶や整理整頓など、社会人としての基礎ができていない
社長の指示が現場で無視される、または曲解される
とにかく組織の立て直しが必要で、多少の離職が出ても規律を作りたい
こうした「再生期」や「停滞期」にあり、強権発動してでも組織を立て直したい経営者には、武蔵野流の強力な介入がマッチします。
他を検討すべき:自律型人材(マネージャー)を育てたい成長企業
- ある程度の規律はあるが、現場の主体性が足りない
社長がいなくても回る「自走する組織」を作りたい
ITやクリエイティブなど、個人の裁量と発想が重要な業種
変動性がある企業(ベンチャー等)
こうした企業が武蔵野流を導入すると、組織が硬直化し、成長の芽を摘んでしまうリスクがあります。この場合、必要なのは「強制」ではなく、マネージャーへの「組織マネジメント」と「思考力の育成」を行う機会です。
現場のリーダーが自ら考え、組織を動かす力をつけるためのマネジメント研修や、対話型の組織開発など、別のアプローチを検討すべきでしょう。
まとめ:自社に合った「改革手法」を選択しましょう
武蔵野コンサルティングは、間違いなく強力な実績とメソッドを持ったプロフェッショナル集団です。その手法は、ある種の企業にとっては救世主となりますが、別の企業にとっては組織を壊す劇薬にもなり得ます。
重要なのは、「自社のフェーズと課題に合っているか」を見極めることです。
「社長が引っ張る組織」を作りたいのか、それとも「現場が自走する組織」を作りたいのか。
もし貴社が、社長のカリスマ性に依存せず、現場のマネージャーが自ら考え、主体的に動く組織を目指しているのであれば、武蔵野流とは異なるアプローチが必要です。
弊社、マネディクでは、成長企業の組織課題に特化したマネジメント育成サービスを提供しています。マネディクでは、マネージャー(管理職)が持っておくべき基本となるマネジメント手法を元に、貴社の組織に適したマネジメント方法と「共通言語」を作れるように徹底的に伴走します。
弊社は急成長ベンチャーだけでなく、地場に根付いた中小企業や歴史ある老舗企業のご支援も数多く行っています。気になる方は、以下からダウンロードしてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 宗教的といった評判やSNSでの噂を見かけますが、本当に大丈夫ですか?
A. 宗教団体とは一切関係ありませんが、その手法(強烈なトップダウン、理念の唱和など)が、外部からは宗教的な熱狂に見えることがあります。
これは組織への帰属意識を高めるための意図的な演出(カルチャー形成)の一環ですが、合う合わないがはっきり分かれる手法であることは理解しておく必要があります。
Q. 失敗して組織崩壊することはありますか?
A. 可能性はゼロではありません。
特に、既存の社員が今の社風(自由さなど)を気に入っている状態で、急激に武蔵野流の規律を持ち込むと、反発による大量離職や組織崩壊を招くリスクがあります。
導入の際は、社長の覚悟だけでなく、現場のキーマン(幹部や人事責任者)との十分なすり合わせが不可欠です。
