【実録】識学の評判を実際に導入した企業視点で解説!「やばい?」「怪しい?」は本当?
識学とは?株式会社識学の概要と「意識構造学」の特徴
まず、「やばい」「怪しい」という感情論を排除し、識学がどういったサービスなのか、ファクトベースでご紹介をしていきます。
株式会社識学はどんな会社?

識学を提供しているのは、株式会社識学(代表取締役社長:安藤広大)です。
2019年に東証マザーズ(現:グロース市場)に上場しており、累計導入社数は4,000社以上(2025年時点)にのぼります。
代表の安藤氏自身が、かつてNTTドコモやジェイコムなどで「識学」の元となる理論を用いて組織を拡大させた実績を持ち、そのノウハウを体系化したものが現在のサービスとなっています。
重要なのは、同社が単なる「研修会社」ではないという点です。株式会社識学は自社のサービスを「組織OS(オペレーティングシステム)」と定義しています。
【識学が提供しているサービス】
コンサルティング:経営層・幹部向けのマンツーマン・トレーニング
識学クラウド:組織の状態を可視化・管理するSaaS型ツール
人材紹介:識学理論に適合する人材を供給する紹介事業
M&A・ハンズオン支援:識学理論を用いて投資先企業の再生・成長を行う事業
「意識構造学」の特徴
識学(意識構造学)とは、人間の意識構造を分析し、「無駄な思考(迷い)」を排除して行動量を最大化するためのマネジメント理論です。
従来の日本的経営にある「空気を読む」「モチベーションに配慮する」といった不文律を真っ向から否定し、以下のようなロジカルな構造改革を行います。
1. 「錯覚」の排除による行動最大化
識学では、パフォーマンス低下の原因は能力不足ではなく、「事実」と「認識」のズレ=「錯覚」にあると考えます。
「上司はこう思ってくれているはずだ」「頑張っていれば評価されるはずだ」といった個人の勝手な解釈(錯覚)を取り除き、事実(数字・結果)のみを直視させることで、迷いのない行動を引き出します。
2. 完全結果主義(プロセス評価の撤廃)
「頑張りました」「プロセスを見てください」は一切通用しません。
評価されるのは、期限内に約束した結果を出せたかどうか(〇か×か)だけです。
これには、「プロセスを評価すると、社員は『結果が出なくても頑張れば評価される』と錯覚し、結果へのコミットメントが弱まる」という明確な理論的背景があります。
3. 「位置」の絶対化と情報の統制
上司は部下に迎合せず、部下は上司を評価しない。「誰が決定権者か」という位置関係(ヒエラルキー)を絶対的なものとします。
また、上司は部下の手取り足取り教えることを「部下の成長機会(経験)を奪う行為」として禁じ手とし、結果が出るまで口出しせずに待つことが求められます。
【ポイント】
識学は「モチベーション」という概念そのものを否定します。「モチベーションがないと動けないのは、組織の仕組みが曖昧だからだ」と考え、感情ややる気に依存せず、ルールと結果のみで機能する「完全な規律」をインストールすることを目的としています。
ここでご紹介したように、識学はロジカルなアプローチで会社を1つの組織として成熟化させることができる強みがあります。
明確な規律やルールを設定して仕組み化することで、本当の意味で“組織”として機能するようになります。トップダウン型の企業やオペレーティブな組織は識学の導入はおすすめです。
ただ、マネジメントの属人化はおこっているが自社のカルチャーは大事にしたい、規律や仕組みで律するというより『納得感』を持って、現場が自走する組織を作りたいとお考えの企業様は識学の導入はミスマッチな可能性があります。
ルールによる徹底した統制は短期的な数字を作る上では機能しますが、成長フェーズにあるベンチャーにおいて、「カルチャー」や「個人の意志」を排除することは、組織の活力を削ぐリスクにもなり得ます。また、変動性が大きい環境ではルールやマニュアルは陳腐化しやすいです。
成長ベンチャーに特化した組織構築プログラム「マネディク」では、
・一方的なルールではなく、「なぜやるのか」という共通言語を作る
・モチベーションに依存せず、かといって感情を否定もしない「行動基準」を定着させる
・経営と現場の結節点となる「マネージャー」自身を強くする
このようなアプローチで、成果に向けて自走する文化づくりをサポートします。
少しでもご興味ある企業様は、以下からサービス資料をダウンロードして、導入をご検討ください。
識学が「やばい?」「怪しい?」と言われる理由
なぜネット上で識学は「やばい」「怪しい」「宗教みたい」と噂されているのでしょうか。

その理由は、識学のロジックそのものが、一般的な「人間らしい感情」と真っ向から対立するためだと考えられます。
以下で識学が「やばい」「怪しい」と噂される理由を詳細に解説していきます。
1. 「冷たい・パワハラ」に見える指導スタイル
識学では、上司が部下を飲みに誘って慰めたり、悩み相談に乗ったりすることを「位置ズレ(役割の逸脱)」として否定します。
外から見れば「血も涙もない冷徹な組織」に見えますが、識学のロジックでは「感情的な繋がりでマネジメントするから、言いたいことが言えず、組織が弱くなる」と考えます。
このギャップが「やばい」という評判を生んでいるのではないかと考えられます。
2. 独自の言語と規律が「宗教」っぽさを醸し出す
識学の導入企業では、「位置」「姿勢のルール」「完全結果」といった識学用語が飛び交います。
また挨拶の角度や机の整理整頓など、細かなルールを徹底させることもあります。外部の人間からすると、全員が同じ言葉を使い、同じ行動様式をとる姿が、ある種の「宗教団体」や「軍隊」のように映ることがあります。
ただ経営者としては「宗教的」と言われるのは、ある意味で成功の証明でもあります。強い組織には必ず強力なカルチャー(=共通言語・共通した行動様式)があるからです。
しかし、そのカルチャーにマッチしていない社員からすると単なる「宗教」に見えてしまいますし、またそれが「納得感のある規律」なのか、単なる「押し付けられた恐怖」なのかで、印象は大きく変わるかと思います。
識学に関する良い評判・口コミ
ここでは、実際に導入した企業の経営者や、現場で効果を実感した方の声をご紹介していきます。
1. 感情によるマネジメントコストがゼロになった
「『あの人のために』といった感情的な配慮が不要になり、事実だけで会話ができるようになった」
これまでは部下のモチベーションを気にして飲みに行ったり、相談に乗ったりすることに時間を割いていましたが、識学導入後は「結果」のみにフォーカスするため、マネジメントに迷いがなくなりました。
(引用元:社会で必要な考え方が詰まっている理論 | 識学導入事例 株式会社オールコネクト様)
2. 組織のルールが明確化し、生産性が劇的に向上した
「残業時間が月40時間から20時間に半減し、利益率は改善した」
「位置」や「ルール」が明確になったことで、誰が何を決定し、誰が責任を持つかがクリアになりました。結果として、社内の無駄な調整業務や会議が激減し、本来やるべき業務に集中できる環境が整いました。
(引用元:富士油圧精機株式会社が識学で組織改革を実現 | PR TIMES)
3. 人間関係の悩みが消滅した
「他人の評価を気にせず、自分の役割に集中できるようになった」
識学では「部下は上司を評価しない」「横の人間関係で悩まない」というルールが徹底されます。これにより、「あの人にどう思われているか」といった不要なストレスから解放され、精神的に楽になったという声も多く聞かれます。
(引用元:人間関係で悩まなくなる!? 「識学」の汎用性が高すぎる | 新R25)
良い評判での共通点は、「迷い(タイムロス)の削減」です。
「何をすれば評価されるのか」が明確になるため、成果を出せる優秀な社員にとっては非常に働きやすい環境になります。
識学に関する悪い評判・口コミ
一方で、現場の社員や導入方法を誤った事例からは、識学に対するマイナスな評判・口コミも存在します。
1. 過去の失敗体験:「恐怖」によるマネジメントの誤解
「部下に対して『それは私の仕事ではない』と突き放し、孤立させてしまった」
識学を学んだ直後のマネージャーが、理論を形式的に適用しすぎた結果、部下との信頼関係が崩壊。「経過(プロセス)」を無視することと、「部下に関心を持たないこと」を履き違え、結果として組織力が低下してしまいました。
(引用元:60名の営業組織を管理していた時の失敗を「識学」で振り返る|note)
2. 変化への拒絶反応と大量離職
「社長が急に変わってしまい、ついていけなくなった」
ある日突然、社長が「これからは識学でいく」と宣言し、これまでのアットホームな雰囲気を全否定。古参社員たちは「自分たちが否定された」と感じ、反発心から優秀な人材を含む大量離職(組織崩壊)に繋がりました。
(各種口コミサイトより要約)
ここでは識学に関する実際の評判・口コミをご紹介してきましたが、「トップダウン型の企業」や「仲良しサークルのようなぬるい組織を変えたい」のであれば識学はとてもおすすめで、逆に「一般論や理論を自社のカルチャーに落とし込んで運用したい」「社員の内発的な動機を重要視する」企業は識学以外の研修サービスがおすすめです。
我々マネディクでは、ベンチャーのマネジメントの理論・考え方を議論を通じて自社のカルチャーに落とし込む、組織カルチャー構築プログラムをご提供しています。
組織拡大してきてカルチャーが希薄化してきていることを感じているの企業様や自社のカルチャーに沿ったマネジメントスタイルを確立したいとお考えの企業様は、ぜひマネディクがお力になれる部分が多分にあるので、ぜひ以下からサービス資料のダウンロードをしていただければと思います。
【実録】識学を実際に導入してみて分かったこと
ここからは、実際に我々(マネディクの親会社であるアクシス株式会社)が識学を導入した際の実体験を赤裸々にお話ししていきます。
当時、我々は組織の急成長に伴う「組織のサークル化」に課題感を感じていました。
識学を導入して実際に変わったこと
識学を導入したことによる最大の変化は、それまでの「社長を中心としたサークル」のような感覚が消えて、「会社組織」としての成熟し始めたことです。
導入以前は、良くも悪くも代表と社員の距離が物理的にも心理的に近い状態で、アットホームと言えば聞こえは良いですが、その弊害として「社員全員が『自分も経営の意思決定に口を出せるんだ』という誤った認知」が広がっていました。
その結果、経営上の意思決定がいちいち「合議制」のようになり、スピード感が著しく低下していました。
そのような状況が、識学を導入したことで、会社という組織としての正しい認知やあり方が社内で浸透しました。
実際に識学でおこなったこと
識学を導入し実際におこなったことは主に以下の3つでした。
基本パッケージの導入:6ヶ月間のプログラムを契約し、シニアコーチクラスの方に担当していただいた。
経営者向け1on1研修:トップである代表自身がまず「位置(役割)」と「ルール」を叩き込まれ、思考の矯正を行った。
全社員向け動画ラーニング:マネージャーを含めた全社員に対し、識学の理論を解説する動画学習を実施。さらに視聴後にはテストを行い、理解度を高めた。
総じて識学を導入して良かった点・悪かった点
結果的に、識学を導入して良かったこと・悪かったことのどちらもありました。
-良かった点-
まず良かったこととしては、「位置」と「完全結果」という概念を経営者や幹部、全社員にインストールする事で仲良しサークルから会社組織の認識が揃ったことです。
以前のような「社長、それってどうなんですか?」と気軽に横槍を入れるような空気はなくなって、「自分はどの位置にいて、何を果たすべきか」が明確になりました。
きちんと持ち場の責任を「完全結果」で果たすというスタンスに全員がフォーカスできた点は、組織として一段階レベルアップするために不可欠なプロセスだったと感じています。
-悪かった点-
逆に識学を導入したことで良くなかったなという点は、「自分の責任範囲」が明確になりすぎた結果、「それは私の役割や仕事ではないのでやりません」という姿勢が生まれてしまったことです。
ベンチャー特有の「ボールが落ちていたら誰かが拾う」という助け合いや、役割を超えた貢献が少なくなり、セクショナリズムが発生するようになりました。
また、識学のブランド認知が強烈であるため、社員側が過剰反応してしまったこともよくなかった点の1つでした。
「会社はこれまでの風土やカルチャーを捨てたんだ」「もう社員を大事にしないんだ」といった拡大解釈や歪んだ認知が広がってしまって、組織全体の空気が一時的に冷え込んでしまいました。
識学の「怪しい」や「やばい」という評判に対してはどう思うか?
ネット上で言われる「やばい」「怪しい」という評判についてですが、実体験を持つ経営者として思うのは、結局は組織によって「合う・合わない」があるということです。
識学の理論自体は非常に論理的で、ビジネスモデルや業務内容が「オペレーティブで変化が少ない会社」(不動産や製造など)においては、相性が抜群に良く、生産性は確実に上がるでしょう。
しかし、我々のように「常に変化が求められる組織」においては、識学の厳格な型が足かせになる可能性があります。特に、社員が「会社が冷たくなった」と拡大解釈してしまうリスクもあります。
実際、私の知人の経営者の間でも、「導入によって一定数の社員が大量離職した」という話はよく耳にします。それを「新陳代謝」と割り切れるか、「組織崩壊」と捉えるか。そのような覚悟がないままに導入するのは、確かに「やばい」結果を招くのかもしれません。
識学を導入して失敗するパターン
ここまでご紹介してきたように識学は成長企業を組織化したり、組織に共通した規律を必要とする企業が導入すると非常に強力な効果を発揮するのは事実です。同じ組織開発サービスを提供する私の目線でもそれは明らかです。
ただ、上記で解説したように企業や状況によって合う・合わないがあり、また導入の仕方・プロセスを間違えると逆に組織に悪影響を与える可能性もあります。
このパートでは、識学を導入して失敗に至ってしまうパターンを2つご紹介していきます。導入する際の参考にしていただければと思います。
ルールが独り歩きしてしまう
識学の「感情を排除する」「プロセスを管理しない」という部分が、「冷徹さ」「パワハラの正当化」として悪用・誤解されるパターンです。
識学を導入したことによりいくつかの規律が生まれますが、その規律の背景や意味を説明せずに、結果社員が誤った解釈をして社員のエンゲージメントが著しく下がるといった事象が起きます。
確かにルールや規律は物事を単純化してくれて1つの仕組みとなりますが、その背景や意図をきちんと説明しないと、逆に組織を壊す可能性もあります。
こちらの対処としては、「導入することによる明るい未来の提示をする」のが効果的で、単に「現状の〇〇な課題を解決するために導入する」という背景を伝えたところで、社員からすると課題を突きつけられるだけで腹落ち感の醸成にはなりません。
「「識学」というサービスを導入することで組織としてどうなっていけるのか?」「その先にどのようなキャリアを築けるのか?」といった希望的な未来を提示してあげることで、完全に腹落ちはしないまでも最低限の納得感は持ってもらえます。
現場の「言語化能力」不足によりPDCAが回らない
識学は「結果」のみを管理し、未達の場合は「不足」を自己分析させるため、社員個人の知的レベル(特に言語化能力)が一定高くないと機能しません。
例えば、会議の中で目標未達を指摘する際に、本来は「行動量Aが不足していたのでBにします」と要因と対処を伝えるべきところを、要因分析ができずに「次は気合を入れます」「注意します」という精神論の報告になり、翌週も同じミスを繰り返す。
「どうすれば達成できるか」を論理的に組み立てるスキルがない社員に対し、プロセス管理を放棄して「任せる」と、「放置」と同義になってしまい、結果成果が出ず社員が自信を喪失して辞めていくことに繋がります。
この場合の対処は、評価するのは「結果」だがその過程のサポートはしてあげることです。
上記の例で行くと、「結果は?目標達成のためにどうするの?」といった問いだけでなく、仮に行動A→行動B→成果というロードマップがあったときに、「行動Bするにはどうすれば良い?」「行動Aをするにはどうすれば良い?」というように具体的な道筋が出るまでサポートしてあげます。
また、過去の成功体験との紐づけも重要で、「小さなものでも過去成果を出したのはいつ?その成果を出した時はどんな行動をしていた?それはなぜ?」と成果に繋がった具体的な行動を出させるのも有効です。
識学を導入すべき企業・そうでない企業の特徴
ここまでのパートで、識学の特徴や口コミ・評判、実際に導入した企業視点の解説をしてきましたが、これらを踏まえて識学を導入すべき企業とそうでない企業を分類しました。
識学の導入に悩まれている経営者・人事担当の方はぜひご覧ください。
識学の導入をおすすめする企業の特徴
以下のような特徴の企業は識学を導入すべきです。
これまで紹介してきたように、識学は「空気を読む」「モチベーションに配慮する」といった不文律を真っ向から否定して、非常にロジカルな組織変革をおこなうサービスです。
基本的には、トップダウンでとにかく実行力を担保したい企業や社員の人柄は良いが「成果への執着がない」「組織としての締まりがない」企業には非常におすすめです。
ビジネスモデルが固定的で、オペレーション重視の企業(不動産販売、コールセンター、製造業など)
トップダウンで意思決定を高速化したい企業
「良い人」ばかりで、なあなあな空気を断ち切りたい企業
社員の「言い訳」をなくし、行動量をとにかく増やしたい企業
識学の導入をおすすめしない・導入しても失敗してしまう企業の特徴
逆に以下のような企業は識学を導入すべきではありません。
自社特有のカルチャーが競争優位性である企業や常に変化の激しいような環境下にある企業は、規律で正す識学を導入すると、かえって社員の不満が増加したり、事業成長に繋がらない場合があります。
変化が激しく、現場の自律的な判断(アドリブ)が必要な企業(新規事業開発、クリエイティブ職など)
「チームワーク」や「助け合い」が競争力の源泉である企業
ボトムアップでのイノベーションを期待したい企業
心理的安全性やエンゲージメントを重視するカルチャーの企業
社長が「情」や「感覚」を最優先したい企業
上記のような企業様は、以下のマネディクのような、理論を自社のカルチャーに落とし込み、自社特有のマネジメントスタイルを確立できるサービスの利用をおすすめしています。
ご興味ある企業様はぜひ以下からサービス資料をダウンロードし、サービスの利用をご検討ください。
識学の導入費用・料金体系
最後に、識学の導入費用・料金体系について解説します。
(※最新情報は必ず公式サイト等でご確認ください)
マスタートレーニング(経営者・幹部向け)
数十万円〜数百万円 / 人経営陣が識学理論を学び、意識変革を行うためのマンツーマン研修です。
組織コンサルティング(顧問契約)
月額数十万円〜定期的にコンサルタントが訪問し、会議への同席やマネジメント指導を行います。
決して安価な投資ではありません。
「とりあえず試してみる」にはハードルが高いため、導入の際は「本当に組織を入れ替える覚悟があるか」を問い、他の研修サービスも比較したうえで、導入を検討しましょう。
